溶連菌感染症とは
A群溶血性連鎖球菌が原因となる感染症で、特に春から初夏、冬に流行します。主に小児に流行しますが、大人がかかることもあります。症状としては、突然の発熱(38度以上の高熱)とのどの痛み、小児ではおう吐や腹痛などがみられます。頸部のリンパ節が腫れたり、イチゴ舌(舌が腫れ、イチゴのような赤いブツブツができる)ができることがあります。多くの場合、発熱は3~5日以内に下がり、1週間以内に症状は改善します。まれに重症化し、のどや舌、全身に発赤が拡がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」を引き起こしたり、リウマチ熱・腎炎を続発したりすることがあります。
感染経路
感染した人のせきやくしゃみなどで飛び散ったウイルスを吸い込んで感染する飛沫感染と、ウイルスが付着したものをさわった手で、口、鼻、目の粘膜をさわることで感染する接触感染と、食品を介して感染する経口感染があります。
予防方法
効果のあるワクチンはありません。日頃から手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染対策を行うことが有効です。
家庭内や幼稚園、学校などの集団生活で感染が起こりやすいので、感染の疑いがある方との濃厚接触を避けましょう。
溶連菌感染症にかかったときは
治療には抗菌薬が使用されますが、腎炎などの合併症を防ぐため、症状が改善しても、医師に指示された期間、服用することが大切です。喉の痛みがひどい場合は柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけましょう。