「どうぞおめしあがりください。」
「お点前(てまえ)ちょうだいいたします。」
10月31日(木曜日)14時55分。おおぞら学級の6年生の教室では、茶の湯が開かれていた。
教室には「一期一会(いちごいちえ)」の掛け軸と、子供たちと集めた色とりどりの落ち葉が飾ってある。
「人生に一回しかない出会いっていう意味。」
一期一会の意味を問われた児童が答える。
「お茶会をみんなとできるのは、今日だけ。心を込めて書きました。」
と、授業を担当する教員。
「社会科で学習した室町時代からずっと続いてきた茶の湯を通して、人々が大切にしてきたものを感じてもらえれば。」
と話す。
「竜田姫(たつたひめ)」との菓銘(かめい)のある、色づいた木の葉がデザインされた和菓子が配られた。
古今和歌集から、
竜田姫 たむくる神のあればこそ 秋の木の葉の幣(ぬさ)と散るらめ
(秋の女神である立田姫が、秋も終わって旅立とうとしている時、旅の無事を祈って木の葉が散るのだろう。)
の歌が紹介された。
「あんの味がします。」
と「立田姫」を口にした児童。
この後、児童が立てた抹茶がふるまわれた。
児童と一緒に参加した保護者は、
「初めての体験となりました。」
と、話していた。