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教室に生まれた小さなドラマ 仲間とAIが支えた「分からない」の瞬間

教室に生まれた小さなドラマ 仲間とAIが支えた「分からない」の瞬間

「この授業で、生徒は理解できるだろうか──。」
 授業の前日、2年2組の数学を担当する教員は、机に広げた指導案を前に静かに悩んでいた。
 本校が掲げる「生徒の自己有用感を高める授業」を実現するために、どんな問いかけをし、どんな学びの場をつくるべきか。
 その重さが、教員の胸にずっと残っていた。


 7月10日(金)午前10時45分。
 いよいよ2年2組の、1次関数の授業が始まった。
 教室には、緊張と期待が入り混じった空気が流れている。

 例題の説明を終えた教員は、生徒に次の問題へ取り組むよう伝えた。
 そして、解き方を選べる5つの方法を提示した。
「個人で、仲間と、教員と、生成AIと、仲間の解答を参考に──自分に合った方法で解いてください。」
 生徒の自己有用感を育てるための工夫が、授業の随所に散りばめられていた。


 その直後、
「分からないよー」
と声を上げた生徒のもとへ、2人の生徒がすぐに席を移動し、自然と説明を始めた。
 教室の一角で、学び合いの小さな輪が生まれる。


 やがて、活動の区切りを知らせる鐘の音が流れた。
 首をかしげる生徒に、別の生徒が学習用タブレット端末を差し出す。
「AIに解き方聞いてみたから、これ見て。」
 画面には、生成AIが示した解法のヒントが表示されていた。
 人とAI、そして仲間同士の学びが、教室の中で自然に交差していく。

 授業を終えた生徒は、
「分からないときは友達に聞いて、逆に分かるところは友達に教えることができた。」
と振り返った。
 悩んでいた生徒も、
「グラフの傾きと変化の割合が一緒なことが分かった。」
と、振り返り用紙に力強く書き込んだ。


 午後の協議会で、つくばみらい市教育委員会の指導主事はこう助言した。
「鐘の音で活動を区切っていたが、じっくり解いていた生徒には集中を妨げていた。友達同士で学び合える人間関係があり、問題の難易度も複数用意されている。単元の中で2、3時間は、生徒に進め方を任せる自由進度学習が可能だと思う。」

 その言葉は、授業者が抱えていた悩みに、次の一歩を示す光となった。

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カテゴリ:
2年生
更新日:
2026年7月10日

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