お近くの登記所(つくばみらい市は水戸地方法務局取手出張所)には、土地の公図や登記簿が保管されていますが、これらの中には明治時代の地租改正で作られたものもあります。日本の土地に関する記録の約半分は、このときの公図(字限図:あざきりず)を元にしたものがいまだに使用されており、土地の境界が不明確だったり、当時の不正確な測量のため土地の実態を正確に把握できない場合もあります。例えば、登記簿には面積「1,500m2」と記載されているのに実際には「1,000m2」しかなかったり、逆に多くなっていたりするケースもあります。
特に字限図は長い年月の間に土地の利用状況の変化により、実際の現地と比較しても合致せず、公図としての役割を果たし得ないものになりつつあるのもあります。
また、測量の基点がないため、その土地が地球上のどの位置に存在し、「どこからどこまで」かを現地で判定するのが難しく、さらにここ数年で急速に土地の高度利用と細分化が進んだため、地図の処理が的確にできなくなってしまいました。
このように公図が不完全では、まちづくりのための公共事業の進行や、個人レベルでも境界紛争や土地取引などでトラブルが発生しうる原因ともなります。
そのため、限りある土地の有効活用・保全のために土地の実態を正確に把握する「地籍調査」を行うことが必要なのです。